『逃れの森の魔女』ドナ・ジョー・ナポリ(ネタバレなし)レビュー

FC2ブログ『京本悠紀雄のときどき日記』の『逃れの森の魔女』レビュー (ネタバレなし)を短く書き直しました。

『逃れの森の魔女』レビュー (ネタバレなし)

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本の紹介

『逃れの森の魔女』
ドナ・ジョーナポリ Donna Jo Napoli
共訳:金原瑞人、久慈美貴
青山出版社
原題 "The Magic Circle"

目次

本と出会って読み終わるまで…
1. Twitterで本を知る!
2. 図書館へGo!
3. 読み始める!
4. いったんブレイク…
5. 続きを読み始める!
6. ヘンゼルとグレーテル、ついに登場!
7. 怒濤のクライマックス!

読み終わってから考えたこと
8. 読み終わったあとに思ったこと
9. amazonレビューについて
10. 映画化?ドラマ化?
11. 題名について
12. 本書の魅力
13. 受賞歴
14. おすすめですか?

1. Twitterで本を知る!

主人公はあの『ヘンゼルとグレーテル』の魔女

森の奥のお菓子の家に住み、子供たちを食べるという魔女…
最後はかまどの中で焼け死んだはず…

ツイートの内容から「ラストは○○○となるのでは?」と結末を予測。
おそらく間違いないだろうと思われるも、読んでみたくなった。

2. 図書館へGo!

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運良く借りることに成功。

どんな本なのか?

比較的薄め。
ただし文章をみるかぎり、子供向けではなさそう。
(ヤングアダルト向け)

表紙の裏には、
『そう、かつてその魔女は、娘を愛する母であり、神を愛する魔術師だった−。』
とあり、
「んんん…?」
魔女ってはじめから邪悪な存在じゃなかったの…?

ヘンゼルとグレーテル』の内容を再確認

あまりよく覚えていないので、冒頭の「あらすじ」で再確認。

魔女はグレーテルに突き飛ばされ、かまどの中で焼け死ぬことに間違いない。

結末を示した上での物語展開に作者の自信を感じ、少しワクワクしてきた。

3. 読み始める!

自宅に戻り、ラストから読みたくなるのをこらえつつ、1行目から読み始める。

いきなり衝撃が…

冒頭は、主人公がベッドの上で幼い娘とまどろんでいるシーン。

子供を食べる年老いた醜い魔女のイメージとあまりにかけ離れているので、一瞬、主人公は別にいるのかなと考えるも、この方が主人公で間違いなさそう。

想像したラストシーンとの間にギャップがありすぎて、読み進めるのが怖くなる…

主人公の身に一体何が起きたんだろう?

読むのをやめようかと、真剣に悩む…

4. いったんブレイク…

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なかなか面白いので、3章まで読み終えたところであえて小休止。
一気に読むと疲れから細かい描写を読み飛ばしがちになるので、あえて休憩をはさむ。


5. 続きを読み始める!

この小休止は結果的にちょうど良かった。
物語は4章から急変し、一気にダークな方向へ…

なぜ主人公は森の奥でお菓子の家に住んでいるのか?
なぜ主人公は子供を食べる魔女になってしまったのか?

そういったことが徐々に明らかになっていく。

6. ヘンゼルとグレーテル、ついに登場!

6章になってようやくヘンゼルとグレーテルが登場。

いつもどちらが男の子でどちらが女の子なのか、どちらが年上でどちらが年下なのか分からなくなる。

この小説では、ヘンゼルが弟で、グレーテルが姉
ウィキペディアではヘンゼルが兄、グレーテルは妹として紹介されている)

穏やかに進みかけた物語は、またしても急変!

一気にクライマックスへ。

7. 怒濤のクライマックス!

想像していた結末へ向かって物語は疾走…

ただグレーテル(姉)とのやりとりが、想像以上に切ない

壮絶なエンディング…


☆☆☆十分注意をしていますが、ほんの少しでもネタバレが嫌いな方は、ここから先は読まない方がいいです☆☆☆

8. 読み終わったあとに思ったこと

余韻に浸る…

この物語はハッピーエンド?それともバッドエンドなの?
主人公は救われたの?
何が原因でこのような結末に?

読後感は決してすっきり爽快といったものではない
しばらくは余韻にひたりましょう。

9. amazonレビューについて

読後にamazonのレビューを見ると、
(※ネタバレ満載なので、読書前に「あらすじ」や「レビュー」を見ることは、おすすめしません!)
おおむね高評価!でも中には低評価も…

物語に入り込めないとマイナス評価になってしまうよう…
ハッピーエンドが好きな方も辛口評価かな。

10. 映画化?ドラマ化?

個人的には映画化やドラマ化もありそうな気が…

この『ヘンゼルとグレーテル』の魔女というキャラクターは、この物語を知ると二度と忘れられなくなってしまう…
映画化、ドラマ化、アニメ化、CG化され、多くの人に知ってもらいたいな!

気がついたこと…

主人公には名前がない…
つねに「あだ名」で呼ばれている。
主人公の娘や他の登場人物には名前があるというのに…

11. 題名について

原題は"The Magic Circle"
直訳すると『魔法円』もしくは『魔方陣』。
「魔法円の中は安全だが、ひとたび外に出てしまうと、簡単に悪の世界へと引きずり込まれてしまう」という含みがありそう…

邦題は『逃れの森の魔女』
グリム童話『眠れる森の美女』を意識しての大胆な意訳。
語呂も良く、読み終わると意味が分かるというパターン。

どちらが好みか分かれるところ…

個人的には…
原題の方が好きかな。

12. 本書の魅力

本書を読むと、それまでの物語世界が完全に逆転してしまいます!
(ネタバレになるので詳しく書けませんが…)

親に捨てられたヘンゼルやグレーテルに同情しつつも、魔女への共感が生涯続くことでしょう。

もう二度と以前の『ヘンゼルとグレーテル』には戻れません。

13. 受賞歴

米図書館協会ヤングアダルト向けベストブック
『パブリッシャーズ・ウィークリー』ベストブック・オブ・ザ・イヤー受賞の本作品。
専門家のお墨付きです。

14. おすすめですか?

後半ややダークな色彩が強くなりますが、
おすすめです!

久々の小説、とても楽しく読めました。

Roselyne@Roselyn93490532様の紹介に感謝!(^o^)
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京本悠紀雄のときどき日記

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